この度の西日本豪雨水害に関して、
犠牲になった方々へ心からのお悔みと、
被災され今も不自由な生活を余儀なくされている皆様へ
お見舞い申し上げます。

被災地域の中でも広島県三原市には小寺と兄弟寺院の教薫寺があり、
御住職の西田登光師とは懇意にしてきました。
特に先日の子ども祭りでは紙芝居法話をご披露してくださり、
東日本大震災や熊本地震発災した当時、
小倉・不輕寺にいた彼と共に復興支援御奉公をさせていただいた間柄でもあります。
そんなご縁から、断水になった三原に何とか支援をさせていただきたいと思い立ち、行ってまいりました。

届いた飲料水を地域の方に無償配布

ただし、今までの災害支援で痛感したことがあり、今回もその点に気を付けてさせていただきました(のつもり)。
・被災された方々、地域に極力迷惑をかけない(当たり前のこと!)
・当該地域の一時的な支援に終わらず、お寺がある場合にはそのお寺のご弘通(地域貢献)につながること。
事前にボラ仲間のナベさん(元・自衛隊員)から当該地域の方々が渋滞でお困りになっているとの情報を聞き、また道路が寸断されているとのことから、移動はすべて夜間に行いました。

飲料水1トン

タンクローリーが入れずスタンドが閉鎖と聞いたのでガソリン90リットル

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功徳風呂
トラックとハイエースの2台で飲料水1トン、ポリタンク10リットル×13、ガソリン90リットル、体拭きシート、掃除用具などを運搬しました。10日22時に博多を出発、山陽道の広島以東が通行止めなので、中国道で三次東まで行き、そこから南へ下って教薫寺到着は11日6時、ちょうど朝の勤行が始まる時間でした。
同じ時間帯に京都から宗門の復興支援担当者である小野山淳鷲師も来られたのでさっそく作戦会議です。
三原市と教薫寺の現状として、
・電気、ガスは平常通り
・物流も復旧しはじめ、ガソリンも供給されるようになった
・断水が続き、20日くらいまでは復旧できないとの見通し
・お寺に届いたものは上記のもの以外で200リットルのポリタンクとポンプ(前々日に水戸の秋山住職が届けてくださった)、
・お寺にあった備品は簡易テント2張り、ブルーシート数枚、使っていなかった会館2階の浴室(水さえあれば給湯はできそう)
・前日までの飲料水、生活用水の配布を通じて町内会長さんとのパイプができた
ということがわかり、水の配布は継続するとして、今ある備品を使って簡易シャワーの提供ができないかという話になり、買い出しと作業にかかりました。さらにポンプをもう一台買い足し、浴室に水を汲み上げてお風呂を沸かすというアイデア。子ども好きな登光師は終始プールで遊ばせてやりたいとも。
買い出しに時間がかかったりしながらもなんとか夕方前には両方とも完成、
夜になると町内会長さんを通じて話を聞きつけた方や通りがかった方が続々と入りに来られました。
「四日ぶりのお風呂~」と皆さんに喜んでいただけて、こちらもうれしくなります。
門祖聖人のころには「功徳風呂」というお参詣者への供養の仕方があったそうですが、まさにそれですね。

帰りに呉へ
日中、作業している間に鳥取の谷川御住職が飲料水40ケースを届けてくださったり、京都・長松寺の野崎博子さんが体拭きシートを大量に届けてくださったり、ありがたかったです。と同時に、呉・妙泉寺が水不足でお困りという情報が入りました。
そこで帰りに呉に寄って運んできた1トンの飲料水などを届けに行くことに。
途中あまりにも眠くなり少し仮眠したので、呉に着いたのが夜中23時半になってしまいました。
それでも藤本清宣師が待っていてくださって、みんなで積み荷を降ろし、ようやく帰路につきました。
呉~広島の道路が寸断されていたので山陽道に乗るのに2時間近くかかりましたが、今朝の9時頃に無事に博多に帰って参りました。おかげさまで一度も渋滞に遭うことなく、スムーズに行けたことは仏天のお計らいと感謝いたします。

今後の支援
今回は0泊2日という弾丸行程でしたが、道路状況も日に日に回復してきているようですし、ライフラインと物流の復旧も時間の問題だと思います。ニュースなどでも言われておりますように、これからは人的な支援が必要となるでしょう。ただ、受け入れ体制が自治体によってもまちまちだと思いますので事前確認が必要だと思います。
去年の朝倉にも何度か行きましたが、土砂災害の被災地域はえてして大きな道路が封鎖され、重機が入れず、また個人宅は人間の力で土砂を掻き出し、荷物を片付けることしかできません。しかも、季節的にも長時間の作業が難しくなってくるので、人海戦術で継続的にマンパワーの支援がカギになると思います。

最後になりましたが、今回同行してくれた外園源明師、野上立喜師、青年会の栗崎詢也君、本当にありがとうございました。
特に、大学に入ったばかりの栗崎君は帰りに「行ってよかったです」と言ってくれて、こちらの方がありがたかったです。これからもよろしくお願いいたします。